本書『TOKYO EAST WAVES』には、木村伊兵衛写真賞作家・大西みつぐ(1952-)の、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、東京東部とその近郊の街で撮影された、第22回太陽賞受賞作と第18回木村伊兵衛写真賞受賞作を含む3つのシリーズが収録されています。
いずれも中判カメラ「マキナ670」を使用してカラーのポジフィルムとネガフィルムで撮影されたものです。
これらはモノクロームのシリーズ「WONDERLAND」と同時並行して制作された重要な作品群で、写真集として初めて出版されます。
バブル景気という奇妙な時代における市井の人々の生活と振る舞いが、同時代の一員でもあった大西によって、克明に記録されています。
2023年に日本写真協会学芸賞を受賞した写真家・ライターである大山顕氏によるテキスト「“片目の犬” マキナ670」と、同時代を生きた写真家である土門拳賞受賞作家の土田ヒロミ氏によるテキスト「大西みつぐの断腸日記」を収録。
“要するに『TOKYO EAST WAVES』は現代の『武蔵野』なのである。この作品は130年ぶりにビジュアル版としてアップデートされた『武蔵野』だ。”(大山 顕)
“かつての千葉・浦安の工業地帯や住宅地帯の「ケ」を収奪して、「ハレ」としてのディズニーランド化、遊園地化への急速な状況変貌をドキュメントしている。” (土田ヒロミ)
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