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朝日新聞は、2023年7月4日、「エコ不安、若者らに広がる」と題する記事を掲載した。「電通総研のアンケート調査によると、16~25歳の1000人のうち72.6%が気候変動に“不安”を感じていると回答した」、「“気候変動に対する感情はあなたの日常生活にネガティブな影響を与えているか”という設問については、49.1%が“はい”を選択した」というのである。そのような若者達を「エコ不安」から解放できないか。地球温暖化問題について、「前向きな考え」をもってもらうことはできないか。そのように考えて、この本を書きすすめてきた。
第1章では、国際機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が発表した『評価報告書』を読み取り、「地球温暖化問題の真実」を再確認することにした。それを受けて、国際社会が気候変動枠組条約とパリ協定を共有し、「2050年カーボンニュートラル」をめざして動き出していることを明らかにした。しかし、「2050年カーボンニュートラル」は、実現可能なのか。
第2章では、現代が化石燃料文明から再エネ文明への大転換期にあり、その再エネ革命が着実に進展しつつあること、さらなる進展が可能であることを明らかにしようとした。「2050年カーボンニュートラル」が実現可能な目標であることを明らかにしようとしたのである。とはいえ、「カーボンニュートラルの電源」には、原子力発電もある。
第3章では、原発が「持続可能な発電」にはならないことを明らかにし、「脱原発のカーボンニュートラル」を選択すべきことを示そうとした。しかし、そのような選択は、「非現実的な空想」ではないのか。そうではないことを、「脱原発先進国」であるドイツの奮闘ぶりを紹介することによって、明らかにしようとした。しかし、原発に頼らなくても、「豊かな世界」を展望することができるのか。「再エネ100%の世界」は実現可能なのか。
第4章では、再エネ革命をさらに加速させようとする現代世界を紹介し、そのための「経済社会システム」が着実につくられつつあることを明らかにしようとした。現代世界は国家が基本的な地域単位になっている。それぞれの国家は「ルールある経済社会」に向かいつつあり、全世界も「ルールある国際社会」に向かいつつある。その「ルールある経済社会」、「ルールある国際社会」はいま、国連に結集しながら、再エネ革命を急展開させ、地球温暖化を止めようとしているのである。「持続可能な開発目標(SDGs)」を共有し、その実現をめざそうとしているのである。
2015年に開催された国連総会は『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(行動計画)』を採択した。その文書は、「“われら人民”というのは国連憲章の冒頭の言葉である。今日、2030年への道を歩き出すのは“われら人民”である」といいきったあとで、「人類と地球の未来は我々の手の中にある」と結んでいる。「われら人民」はいま、科学的な知見を学びつくし、底力を発揮することが求められている。この本が、その一助になれば、幸いである。
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