遊園地と都市文学

遊園地と都市文学

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出版社
小鳥遊書房
著者名
坪野圭介
価格
3,520円(本体3,200円+税)
発行年月
2024年3月
判型
A5
ISBN
9784867800409

遊園地という磁場が生み出した
世紀転換期のアメリカ文学
コニーアイランド、シカゴ万博、そして街灯や路面電車、集合住宅、摩天楼などは、急激に発展した産業都市に住む人間に何をもたらしたのか? 
クレイン『街の女マギー』発表の1893年から、モダニズム文学の成熟を印象づけるフィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』発表の1925年までを「遊園地の時代」と捉え、産業都市に生きる人間を規定する文化/環境/身体の相互作用を透徹する。

【目次】
はじめに:二〇世紀転換期の遊園地

〓序 章 遊園地のモード:マリエッタ・ホリー『サマンサ、コニーアイランドとサウザンド・アイランズへ行く』
『サマンサ』と遊園地の時代
遊園地のモード① 「文化」〓都市生活への娯楽の浸透
遊園地のモード② 「環境」〓有機体としてのメトロポリス
遊園地のモード③ 「身体」〓ドタバタとセンセーショナリズム
本書のキーワードと構成〓モダニティとリズム

〓第一章 街灯とキャラクター :T・S・エリオット「J・アルフレッド・プルーフロックの恋歌」
ガス灯と電灯
漫画的な身体
映画的な空間
遊園地的な都市
道化というキャラクター

〓第二章 乗り物とプロット:シオドア・ドライサー『シスター・キャリー』
馬車・鉄道・電車
機械装置①〓ロッキング・チェアー
機械装置②〓列車、馬車、エレベーター
機械装置③〓観覧車、ローラーコースター
機械装置④〓劇場、都市
機械装置⑤〓自転車

〓第三章 集合住宅とオーディエンス:スティーヴン・クレイン『街の女マギー』
クレイン、行楽地、見ること/見られること
『街の女マギー』と演劇性
演劇的な振る舞い〓「見られること」への呪縛/空虚な道徳
テネメントのオーディエンス〓建築の特殊性
視線の地獄への抵抗〓マギーとジミーの「降板」
『街の女マギー』という小説のオーディエンス

〓第四章 高層ビルとスタイル:カール・サンドバーグ「摩天楼」
摩天楼と怪物
サリヴァンとサンドバーグ
サンドバーグの「摩天楼」〓流動する有機体
サリヴァンとサンドバーグの「環境」〓リズムとスタイル

〓第五章 遊園地とナラティヴ:スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
ラーマン版『ギャツビー』と強調される遊園地
ヴォードヴィルから遊園地へ〓大衆文化を模倣する『ギャツビー』
「家」=パヴィリオン
「車」=アトラクション
スペクタクルとしての遊園地と戦争

終 章 遊園地のリズム:W・E・B・デュボイス「プリンセス・スティール」
「プリンセス・スティール」とデュボイスのリズム
リズムの感取〓主体・反復・ズレ
都市の音楽とリズム
遊園地の愉しみ

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