詩的原理の再構築

詩的原理の再構築

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出版社
未来社
著者名
野沢啓
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2024年4月
判型
四六判
ISBN
9784624601256

萩原朔太郎『詩の原理』と吉本隆明『言語にとって美とはなにか』という近代詩以降の二大理論書を徹底的に読み解き、その理論的問題点を剔出し、言語隠喩論的立場から根底的な批判をおこなう。吉本表出論の虚妄性を暴露し、その意識言語論的な意識の優位性でなく、詩的言語における言語の隠喩的創造性、世界開示性にもとづく先行性を主張し、「言葉があつて、詩人が生れてくる」という朔太郎の詩の原理を確認する。『言語隠喩論』『ことばという戦慄――言語隠喩論の詩的フィールドワーク』につづく言語隠喩論三部作の完結篇。
目次
はじめに
  1 なぜ『詩の原理』『言語にとって美とはなにか』なのか
  2 『詩の原理』『言語にとって美とはなにか』の理論的脱構築の要請

第一部 萩原朔太郎『詩の原理』
第一章 『詩の原理』の前史
 1 蒲原有明との関係
 2 朔太郎における散文コンプレックス
 3 朔太郎におけるリズム論の破綻
 4 詩的原理論の宿命
第二章 『詩の原理』がめざしたもの――その限界と到達点
 1 『詩の原理』の構成
 2 『詩の原理』の提起したもの
 3 『詩の原理』刊行後に見出された詩の原理

第二部 吉本隆明『言語にとって美とはなにか』
第三章 『言語にとって美とはなにか』の構成と批判的解析
 1 〈自己表出〉と〈指示表出〉の問題点
 2 言語の美ではなく表現の価値へ
 3 時枝誠記の吉本批判
 4 作品は意識を超える
 5 ほんとうに転移などあるのか
 6 〈構成〉という設定の破綻
 7 〈架橋〉という無意味な概念
 8 理論でも〈立場〉の選択でもなく言語それ自体へ
第四章 新たな詩的原理の可能性へ
 1 『言語にとって美とはなにか』をどう総括するか
 2 詩的原理をどう再構築するか

[付論]
 吉本隆明の言語認識
 北川透さんへの手紙

  さらなる言語的探究へ――あとがきにかえて

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