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ときは戦国。
陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会う。
「備中青江鍛冶の新作……」
青江の刀はとうに滅びたはずなのに、この世のどこかに存在しているらしい。久忠はあやしげな女商人のあとをつけ、陽気な若侍の又四郎を相棒に、ついに山奥の隠れ里にたどりつく。
そこに男はいない。年寄りから赤子まで、女だけで暮らしている。彼女たちは厳しい暮らしのなかで、砂鉄から日本刀をつくって、なんとしても生きのびようとしていた。
そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。女たちは「わたしたちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込む。
久忠の運命や、いかに?
第18回 舟橋聖一文学賞受賞作品
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