街のパティスリーを訪ねてみれば、ガラスケースの向こうには、見目麗しく、しかも、あなたの舌をとりこにするたくさんのお菓子たちが待ち構えています。ミル=フイユ、エクレール、ルリジューズ、クイニャマン……まるで詩のような雰囲気をまとって連なるケーキやペストリーの名前を目にしたり、口にしたりしながら、その意味や成り立ちを知りたいと思ったことはないでしょうか。本書は伝統と革新が織りなすフランス菓子に、「名前の由来」からアプローチしています。
著者のふたりはお菓子職人や歴史家の著作を探り、地方をまわって伝統のお菓子を調べ、世代から世代へと伝えられてきたエピソードやレシピを集めて、長い歳月にわたり人々がお菓子に対して抱いてきた夢や憧れを明らかにしてゆきます。300種以上のお菓子の由来、17種のお菓子のレシピ、またカレームやルノートルら有名なお菓子職人たちの活躍までを網羅していますから、これを読めば、お菓子を味わう楽しみも倍増するというもの! 「ババ」をめぐる伝説から『ボヴァリー夫人』の「ピエス・モンテ」まで、お菓子にまつわる逸話が満載の、どこから読んでも楽しい一冊です。
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