遺伝について家族と話す

遺伝について家族と話す

出版社よりお取り寄せ(通常3日~20日で出荷)
※20日以内での商品確保が難しい場合、キャンセルさせて頂きます

出版社
ナカニシヤ出版
著者名
李怡然
価格
3,850円(本体3,500円+税)
発行年月
2024年3月
判型
A5
ISBN
9784779517846

がんが遺伝性かもしれないとわかったとき、患者は家族や身近な人々にどう伝えようとするのか。それとも、伝えないでいるのか。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の当事者へのインタビュー調査から、「リスク告知」の経験や困難を丁寧に描き出し、家族内で行われるコミュニケーションの複雑で多様なあり方に迫るとともに、あるべきサポートのかたちを考える。
ゲノム医療が急速に発展し、誰もが発症リスクを知りうる時代に向けた医療社会学研究。

たとえば、想像してみてほしい。仮にあなたが、がんの診断と同時に、あるいは治療後に遺伝学的検査を受けて、遺伝子の変化があると判明したとしよう。「お子さんも、50%の確率で、同じ遺伝子の変化を受け継ぐかもしれません」「ごきょうだいや親御さん、いとこなども同じ病気になる可能性があります」と医療者から告げられた場合、それをどのように受け止め、行動をとるだろうか。家族の中で、誰に、いつ、どのように話せばいいだろうか、と考え始めるかもしれない。役に立つ情報だから早く伝えてあげようと動くこともあれば、相手を不安にさせてしまうのではと心配し、あるいは伝えようにも、家族・親族との関係性次第で、打ち明け方に悩むかもしれない。患者や家族は、病気の治療とは別の困難さや葛藤に直面し、選択を迫られることになる。
本書が取り上げるのは、まさに、このような遺伝性のがんのリスクを知り、家族内のコミュニケーションに向き合おうとする人々の経験である。(「まえがき」より)



●著者紹介
李怡然(り いぜん)
東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター 公共政策研究分野助教。2019 年東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。博士(学際情報学)。専門は医療社会学、生命倫理学。研究テーマは、医療と医学研究をめぐる家族内のコミュニケーション、疾病リスクの予測・予防と市民や社会との関わりについて。
主な著作に、「ゲノム医療時代における「知らないでいる権利」」『保健医療社会学論集』29(1): 72?82, 2018.(共著)、「家族内における遺伝性疾患の「リスク告知」――疾患横断的な展開へ向けて」『保健医療社会学論集』30(1): 65?75, 2019. “Ethical Issues: Overview in Genomic Analysis and Clinical Context,” In: Nakamura, S., Aoki, D., Miki, Y., eds., Hereditary Breast and Ovarian Cancer, Springer, 259?279. 2021.(共著) など。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top