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「北斗賞」は、俳句の未来を開く若い俳人を輩出することを目的とした賞。
40歳までの俳人を対象に作品150句を募集し、第13回は40篇の応募があった。
【受賞の言葉】
2014年にBL句会をきっかけにして俳句を作りはじめた。
その後数年してBLでない俳句も作るようになったが、BL俳句から学んだときめきと反骨は、何かを作るときいつも心の中にある。
個人の努力ではどうにもならない、社会システムの理不尽のようなものがあることを、20代後半になって身を以て知った。
それにすりつぶされそうになりながら、抗いながら生きてゆくとき、俳句は支えであり光だった。
北斗賞をいただけたのは、そのときのもがきをどこか掬い取ってもらえたような気がして、うれしい。
しかし慢心せずまた0から作りたいし、作りながら自分なりに小さく戦ってゆきたい。
もう亡くなった人も生きている人も、好きな句を書く人たちは遠くの灯台のようで、くらい海を行くときの希望として光っている。
いまも書き続けられるのはその人たちのおかげだ。
(佐々木紺)
探梅や水面は雲をゆるく溶き
落ちながら謀反のにほふ白椿
花冷やフルーツサンドやすませて
対角線上に君ゐる冷奴
魚の尾に風の立ちたる花藻かな
僧の頭のきつとさらさら夕端居
師をすこしあやめて持つてゆく芒
咬合の悪き一族星月夜
男らの抱擁淡し霧の街
生き延びるため森を描く冬の画布
本書より
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