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「ジュバ虐殺」から10年――虐殺を生き延びた南スーダン、ヌエル社会の人々は、隣国ウガンダで難民としての新たな生を営み始めた。難民とは、果たして私たちがイメージするように、脆弱で支援を求める受動的な犠牲者に過ぎないのだろうか。本書では、太古より遊牧の歴史を歩んできたヌエルの人々が、避難先で新たな秩序をどのように創り出し、他者と生きる方法をどう編み出してゆくのかを報告する。
タマリンドの木は、南スーダン各地に伝わる起源神話において、人類の「故郷」や「母」を意味する。難民となったヌエルの人々は、避難先に新たな「タマリンドの木」を見つけ、その木の下で悩み、世界に対する問いを発していた。「難民の世紀」において、私たちは彼らから何を学ぶことができるだろうか。
本書では、南スーダンの紛争後社会を生きる人々が持つ、既存の秩序と向き合い、自らの生を生き直す技法を、南スーダンの避難民キャンプとウガンダの難民居住区でのフィールドワークから明らかにする。南スーダン難民の生活や文化・政治活動などを捉えた写真多数収録。
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