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『日本登山大系』は長く「山ヤのバイブル」として知られてきた。累計は11万部を超える。
もともと中級以上の登山者のための実用書であるが、歳月の経過のなかでその実用性は失われつつある。
では、実用性のない『登山大系』に価値がないのかというと、そんなことはない。歴史性を帯びることで新たな意味が付与されつつある。本書はその案内として刊行される。
昭和の登山ブームは1956年の日本隊のマナルス初登頂から始まったとされるが、やがて1960年代になると、山ヤのあいだで「登山の行き詰まり」が語られるようになる。
集団就職で東京に出た若者たちが自らの思いをぶつけたのが谷川岳をはじめとする日本各地の山々だった。
毎週土曜、谷川岳に向かう上野発22時12分の上越線鈍行長岡行きはぎゅうぎゅう詰めの超満員だった。
そうした青春の登山がゲレンデ化の波に覆われつつある1980年代、『日本登山大系』は編纂された。
ひたむきに仲間たちと希望を抱きながら登ったあの頃。そして、いまはなき、あの場所……かつての仲間たちに捧げる。
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