本書は、医学・薬学・看護学・臨床検査学・理学療法学・医療工学など、医療に関連する学部学生が物理学を学ぶための教科書である。
物理学は他の自然科学の基礎となる学問であり、人体の仕組みは様々な物理法則を組み合わせて構築されている。筋肉や関節の力学的特性、心臓から送り出される血液の流体力学的性質、細胞膜を通してやりとりされる物質やエネルギーの間に成り立つ関係式、神経回路の電気的な性質など、人体の中でも様々なことが物理法則に従っている。また、超音波、X線やMRIといった現代のテクノロジーを使った医療機器の原理を理解するためにも物理学を学ぶ必要がある。本書は、将来医療に携わる学生が医療との関連性を意識しながら、物理学をわかりやすく学べる構成になっている。
本書では、医学・医療に関わりの深い7分野として、力学、流体力学、熱力学、電磁気学、波動、放射線、およびMRIに焦点を当てている。高度な数学はできるだけ用いることなく、物理の本質をわかりやすく説明した。必要最低限の数学は丁寧に説明し、正確に記述するよう努めた。重要な知識や概念には、具体的な例題を設け、読者が自ら理解を確認できるように解答も付けた。本書を通じて、読者が人体や医療に関連する実例から物理学の基礎を学び、様々な物理現象に対する理解を深め、将来の研究や医療活動に活かしてくれることを期待する。
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