氷湖いま

氷湖いま

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出版社
ふらんす堂
著者名
鈴木総史
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2024年3月
判型
四六判
ISBN
9784781416236

◆第一句集



どぶろくの瓶の吹雪を飲み干しぬ

 

『氷湖いま』は異彩を放つだろう。すなわち、地方に立脚するのみの風土詠ではなく、かといってのっぺりとした都市風景でもなく――誤解をおそれずにいえば、「洗練された風土詠」ということになる。

序より・櫂未知子



跋・佐藤郁良

栞・橋本喜夫



◆自選十句

立子忌の咲いて名前も知らぬ花

生きるにはふるさとを欲り夏蜜柑

血の記憶ありさうな孑孑ばかり

メロン食ふたちまち湖を作りつつ

わたつみの光なら欲し葡萄棚

林檎狩脚立にすこし海の香

虫籠を湖の暗さの物置より

さざなみは船に届かずカーディガン

灯を点けて塔の全貌夜鳴蕎麦

ためらはず踏め〓の一歩目は

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