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大正から昭和にかけて、”港街神戸”が育んだ多彩な文化。
有名無名の詩人に、ギャラリー文化、プロレタリア芸術、陳舜臣そして小田実。開かれた航路がもたらした文化空間のひろがりを本書は伝える。
はじめに―鉱脈の発掘と水域の拡張
一章 一九二〇年代の関西学院文学的環境の眺望
二章 竹中郁の詩の才気
三章 〈貧民窟〉出身の詩人・井上増吉の文学活動とその周辺
四章 〈こわれた〉街・〈騙り〉の街への遠近法―神戸発・昭和詩始動期の詩人たちの仕事―
五章 神戸モダニズム空間の〈奥行き・広がり・死角〉をめぐる若干の考察
―補助資料『ユーモラス・コーベ』『ユーモラス・ガロー』掲載記事題目一覧―
六章 一九五〇年の二つの文化的イベントから展望する芸術家たちの協同
七章 陳舜臣が描き出す〝落地生根〟の行方 ―推理小説『枯草の根』を起点として―
八章 〈共生〉と〈連帯〉に向けての小田実からの問いかけ―「冷え物」から「河」そして「終らない旅」まで―
九章 剣呑さを生きる小説 ―小田実「河」における歴史・土地・人間・言葉
あとがきに代えての雑信
主要人物索引
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