ゾンビの美学

ゾンビの美学

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出版社
人文書院
著者名
福田安佐子
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2024年3月
判型
四六判
ISBN
9784409031315

『恐怖城(ホワイト・ゾンビ)』『私はゾンビと歩いた!』から、ジョージ・A・ロメロを経て『バイオハザード』『ワールド・ウォー・Z』まで、ヴードゥー呪術、噛みつき、ウィルス感染など、多様な原因で人間ならざるものへと変化し、およそ100年にもわたり増殖し続けるゾンビと作品の数々。恐怖の対象として類を見ないその存在に託されたものは何か。本書では、ゾンビの歴史を通覧し、おもに植民地主義、ジェンダー、ポストヒューマニズムの視点から重要作に映るものを仔細に分析する。アガンベンの生権力論を援用し、ゾンビに現代および近未来の人間像をみる力作。



「だが現在、または近い未来において、人間に「似ているにすぎないもの」として作り出されたゾンビの方に、人間が「似て」くるだろう。」(本書より)



◎目次

序章



第一章 『恐怖城(ホワイト・ゾンビ)』とゾンビの誕生

 1 『ホワイト・ゾンビ』とアメリカ

 2 「ゾンビ」発生前夜

 3 ゾンビの分裂と人種表象

 4 『ホワイト・ゾンビ』における目線の交差



第二章 『私はゾンビと歩いた!』と呪われた人形

 1 ハリウッドをさまようヴードゥーの人形

 2 分裂したヒロイン

 3 重なり合うゾンビと人形

 4 代理の身体



第三章 近代におけるゾンビ――グロテスクなものか「人に似たもの」か

 1 隣のゾンビ

 2 奴隷から隣人の表現へ

 3 ロメロにおけるゾンビの多様性

 4 『死霊のえじき』以降のゾンビたち

 5 感染と発症の間――「モダン・ゾンビ」から「走るゾンビ」へ



第四章 ゾンビ映画におけるヒロインと女ゾンビ

 1 ゾンビの性別

 2 『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』におけるヒロイン

 3 ゾンビ映画における女とロメロ作品における男

 4 『28日後…』、『28週後…』における眼差しと感染



第五章 『ワールド・ウォー・Z』における新しいゾンビ

 1 目潰しとポストヒューマンなゾンビ

 2 『ワールド・ウォー・Z』における身体を持たないゾンビ

 3 ポストヒューマニズム

 4 「〓き出しの生」としてのゾンビ

 5 生き延びる身体と免疫



終章



あとがき



参考文

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