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「公平中立・公正」は、報道機関にとって当たり前のルールのように見えるが、民主主義社会では報道機関のチェックを受けるべき政府が、これを逆手に取って自分たちに都合よく報道を牽制する道具として使うようになってきている。たとえば、自民党は選挙が近づくと、放送法4条の「政治的に公平であること」を根拠にテレビ放送などの内容への介入を繰り返してきた歴史があり、安倍政権の時代に露骨な介入問題が相次いだ。
その時代は、本書著者の川端和治や是枝裕和が放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会の委員を務めていた時期と重なる。本書は、権力によるメディアへの介入の実態とそれを防ぐ手立て、「政権への忖度」のない取材や報道、国民の知る権利をどう守るかについて考える。
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