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〈社会のあり方から心的外傷が生じている以上、そこからの回復も、個人の問題プライベートではありえない。個々のコミュニティにある不正義によって外傷が生じているなら、傷を治すためには、より大きなコミュニティから対策を引きだして、不正義を修復しなくてはならない。
回復していく途上、難しい問いがさまざまに浮かび上がってくる。
皆の前でこのことを話せるか?
真実を、周りのひとは受け止めてくれるだろうか?
この傷は治るだろうか?
そのために何を差し出さなくてはならないのか?
どうして加害者と同じコミュニティに所属しつづけないといけないのか?
和解は可能か?
どうやって?
コミュニティはどうすれば現在の、そして将来の被害を防げるのか?
この問いに答えるため、私はもう一度、話を聞くことにした。生き延びたものたちの声である。皆のための、より良い正義を求めることのために本書はある〉
暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。トラウマ問題のバイブル『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
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