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短歌に詠みたい1000の「うたことば」。
言葉の引き出しを開けて短歌づくりを楽しもう!
●「うたことば」とは
「うたことば(歌言葉)」とは和歌・短歌に詠み込まれた言葉のこと。歌語(かご)とも呼びます。
和歌では、古くは枕詞、歌枕などが歌語として扱われてきましたが、近代に入り短歌の時代になると、歌語とともに日常の言葉や新しい用語も積極的に詠み込まれるようになり、短歌という伝統的な詩型の表現の範囲を大きく広げる力となっています。
●日々更新されるうたことば
「セルリアンブルー」は葛原妙子によって初めて短歌に詠み込まれました。モダンでおしゃれ、短歌の抒情を現代的な詩に拡げました。
また、「バリケード」「ユーチューブ」などの流行語は時代の変化や様相を伝える歌に、「流離」「卑小」などの漢語は、人生の滋味を凝縮して伝える働きをするなど、この社会、この時代に生きる個人の声や思考を短歌に詠み込むための大きな力となりました。
●短歌の世界を広げる言葉をテーマ別に分類
このような印象的な働きをする「うたことば」を集め、9つの章、32のテーマに分けて紹介します。
植物の言葉を知りたければ「植物を詠む」を開きましょう。「梅」「菜の花」「桜」「薔薇」。植物図鑑を見るように、「うたことば」と歌に出会えます。
「時間を詠む」の項では、「暁」「曙」「黎明」と続き、夜明けからの時間の推移を感じるように、「想いを詠む」の項では、「素志」「瞑想」「静心」と少しずつ移り変わる心のありようを示すように言葉を並べました。ひとつの言葉から次の言葉へと読み進むうちに、発想のヒントが生まれるかもしれません。
●「うたことば」の意味を知り、歌を鑑賞する
それぞれの「うたことば」には、読み方と語意、場合によっては類語を付けました。加えてその語が詠み込まれた短歌作品を例として挙げ、解説と鑑賞を施しました。歌の意味や背景を知ると、言葉への理解も深まると思います。
●多彩な「うたことば」の世界
全編をとおして読むと、「うたことば」の豊かな世界に気づかれることでしょう。その豊かさは我々が生きる世界の豊かさかもしれません。歌人たちが選んだ言葉から短歌が生まれ、その歌の言葉からまた次の歌が生まれる。この本があなたの作歌に役立ちますように。
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