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【読者対象】
本書は「量子化学計算を始めてみたいと思った初心者」を対象に,量子化学計算に関する知識ゼロの状態から最初の一歩を踏み出すガイドブックとなるように執筆しました。例えば以下のような方々が対象です。
・以前に量子化学計算にトライしてみたものの,よくわからずに挫折してしまった方
・量子化学は何もわからないけれど,とにかく計算にトライしてみたい方
・教科書や講義で学んだ事項を量子化学計算で確認してみたい方
・高価な商用ソフトウェアには手が出せないけれど,自身の仕事に計算を取り入れてみたい方
・なんとなくで量子化学計算をしてしまっている方
【書籍の特徴】
本書は無料で利用できるソフトウェアを利用し,簡単な計算を実際に体験しながら少しずつステップアップできるように構成されています。複雑な量子化学計算の数式は全て省略し,ソフトウェアのユーザーが必要な計算手続きを理解できるように心がけました。
具体的にはプログラミング言語Pythonとオープンソースの量子化学計算用ライブラリPsi4を用いて計算を行います。Psi4は高価な商用ソフトウェアに匹敵する機能を有しており,実際に最先端の研究現場でも利用されています。本書ではPsi4を用いた量子化学計算により,計算の手順や結果の解釈の仕方などを学んでいきます。
実際に手を動かしながら量子化学計算を学ぶことで,計算ソフトウェアに依存しない普遍的な概念が身につくように構成されています。本書の内容を習得した後には,自分が興味ある分子の計算を行い,より高度な書籍を読むための力が身についているはずです。
【各章について】
本書は第5章までで量子化学計算に必要な事項を習得していきます。第6章以降は分子構造の最適化,分子軌道の可視化,励起状態の計算など,さまざまなトピックについて必要な計算手法を学んでいく構成になっています。
初心者の方は第1章から順番に読み進めることをおすすめします。他のソフトウェアを用いた量子化学計算の経験がある方は,まずは第5章までを読んでPsi4特有のルールなどを掴み,その後興味のある章を読むことですぐに目的の計算が実行できるようになるはずです。
【著者からのメッセージ】
ハードウェアの発達により,個人のノートPC上でも高度な計算が簡単に実行できるようになってきました。さらに使いやすい汎用量子化学計算ソフトウェアが普及したこともあり,実験化学者が計算を行うことも随分と一般的になりました。本書は難しい数式を排除し,オープンソースの量子化学計算用ライブラリPsi4を用いて,計算ソフトウェアのユーザーに寄り添ったアプローチで量子化学計算を学んでいきます。本書が,これまで「計算化学は敷居が高い」と感じていた方々のお役に立てれば幸いです。
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