サメと救世主

サメと救世主

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出版社
書肆侃侃房
著者名
カワイ・ストロング・ウォッシュバーン
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2024年2月
判型
四六判
ISBN
9784863856165

サメに救われた少年には奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、ただのイカサマか?



ハワイで生まれ育った注目の作家によるデビュー長編!



はじまりは1995年。ハワイ島に暮らすフローレス家は、「豊かな」生活を求めて、オアフ島を目指す。そのさなか、息子のナイノアが海に落ち、サメによって助けだされる。サメに救われた少年には、奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、あるいはただのイカサマか?



こうして家族の未来は大きなうねりに巻きこまれる。時を2000年以後に移して、描きだされるのは、楽園ではないハワイ。それは現代の豊かさをめぐるアメリカの矛盾、世界の矛盾を映しだす場だ。ほんとうの「豊かさ」とは何か━━。



ハワイとアメリカ本土(メインランド)を舞台に、ある一家の波乱にみちた運命がつづられる。バラク・オバマのベストブックリスト(2020年版)にも選ばれた、ハワイで生まれ育った作家による渾身のデビュー長編。







明かされる真実へと、ぐいぐい引きこまれろ。ウォッシュバーンはとてつもなく優れた新時代の書き手だ。この長大な家族の物語は、サメの牙のようにするどい。ページははじけて火花を散らす、そして、君をすっかり変えてしまう。



━━━━━トミー・オレンジ(『ゼアゼア』)







古い神話と新たな現実がぶつかり、愛と悲しみが手をつなぎ、信仰と魔術がぎちぎちとこすれあい、喜劇がくるりと悲劇に変われば、まったく新しいなにかが生まれる。そのすべてがとめどない感傷にのって語られる、じりじり焦げるほどに。



━━━━━マーロン・ジェイムズ(『七つの殺人に関する簡潔な記録』)







「海、自然、果物、楽園━━ハワイときいて、多くの日本人がとても良いイメージを抱くことでしょう。楽園としてのハワイ。それを期待してこの小説を読むと、あれ? と思うかもしれません。わたしは思いました。あれ? この小説に、楽園はない。主人公であるハワイ系フィリピン人のフローレス一家が生きる現代のハワイは、楽園とはかけはなれた苦しい生活が強いられる場所です。サバイバルという言葉がふさわしいほどです」(訳者あとがきより)

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