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藤原道綱母が告白する、貴族たちの愛憎劇。
美貌と歌才をもち、権門藤原氏に求婚された才媛が、人生の苦悩を赤裸々に告白する、平安王朝の代表的日記文学。漁色癖のある夫への愛憎をはじめ、家族との別れ、子供の誕生と成長、旅行、参籠といった結婚生活のなか、自らのはかない身の上を書き連ねた日本初の私小説でもある。
作者の道綱母は、藤原道長の父・兼家のもう一人の妻である。一夫多妻制の時代に生きた彼女の日記は、竹のカーテンに閉ざされた上流夫人のありのままの生活を描き出す。これが書かれなければ、『枕草子』や『源氏物語』などもあるいは生まれなかったともいわれ、近代以降も数々の小説家が惚れ込み現代語に訳してきた、女流文学の先頭に立つ作品。
本書は原文、現代語訳、語釈、充実した解説に加え、地図や年表を備えた決定版である。
【目次(抄)】
まえがき
凡 例
上 巻
天暦八年
天暦九年
天暦十年
天徳元年
天徳二年
応和二年
応和三年
康保元年
康保二年
康保三年
康保四年
安和元年
中 巻
安和二年
天禄元年
天禄二年
下 巻
天禄三年
天延元年
天延二年
巻末歌集
補 注
系 図
地 図
年 表
解 説
*本書は、1978年に講談社学術文庫から刊行された『蜻蛉日記』上中下巻を一冊にまとめ、新版としたものです。
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