東アジア・知識人・ネットワーク

東アジア・知識人・ネットワーク

出版社よりお取り寄せ(通常3日~20日で出荷)
※20日以内での商品確保が難しい場合、キャンセルさせて頂きます

出版社
汲古書院
著者名
北原スマ子
価格
11,000円(本体10,000円+税)
発行年月
2024年3月
判型
A5
ISBN
9784762967399

【序に代えて より】
 一九世紀東アジアでは西洋の出現により、従来の政治的、社会的、文化的枠組みが激しく揺さぶられた。この揺さぶりは各国内部の体制に留まらず、東アジア地域全体の歴史的枠組みそのものにも及び、東アジア各国にとって、自身のこれまでの営みを守り、自立して継承していくための対抗策を考えることが喫緊の、そして共通の課題となった。幸い、東アジアには漢字を媒介とする共通の文化圏が存在していた。この歴史的転換期において、東アジア三国(日本・清・朝鮮)の知識人たちが、漢字という共通のコミュニケーション手段、及び漢籍に基づく共通の教養をよりどころに交流したことはよく知られている。本書はこのような事実を踏まえ、当時東アジア三国の知識人たちの交流により構築された、あるいは構築されようとした人的ネットワークが、当時、及び以後の世界情勢に如何なる影響を及ぼしたか、ということに関心を持った研究者六名による、専攻分野を超えた共同研究の成果である。(中略)
 次に本書の後世について述べる。まず「興亜論」を中心に東アジア知識人の連帯の基盤とそこに生じた不協和音を俯瞰(月脚論文)した上で、「興亜論」を主唱する興亜会と朝鮮の知識人の関わりに焦点を絞って考察した(北原論文)。そして当時日・清・朝にとって共通の脅威であったロシアに視野を広げ、ロシアが東アジア三国の連帯および知識人のネットワークをどう捉えていたのかを検証した(野田論文)。次に当時の清国公使館を中心に形成された東アジア知識人の交流の有様とネットワークの実態を具体的に検証し(崔、平石論文)、その後の植民地主義、帝国主義的侵略を視野に入れた上で、二〇世紀に入り、変化する国際情勢の中で東アジア知識人たちの間にかつて構築されたネットワークがどのように変化していったかを論じ(高光論文)、現代に続く問題提起とした。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top