〓画墓・壁画墓と河西地域社会

汲古選書

〓画墓・壁画墓と河西地域社会

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出版社
汲古書院
著者名
関尾史郎
価格
7,480円(本体6,800円+税)
発行年月
2024年3月
判型
四六判
ISBN
9784762950810

【まえがき より】
 本書は、中国の甘粛省西部にあたる河西地域(烏蛸嶺以北とする)で、魏晋・〈五胡十六国〉(以下、〈五胡〉)時代に築造された?画墓・壁画墓を取りあげ、その分布状況や築造時期・年代、さらには図像の墓内位置やモチーフ(画題)・描き方(画法)などの問題について考察したものである。それは、この地域の一体性や共通性が強調される傾向が濃い史書の記述とは対照的に、この地域のもつ多様性や下位の小地域ごとの独自性を、叙上の視点や素材から明らかにすることができると思うからである。
 (中略)……河西地域は郡の範囲を大きく超えて利害を共有し、連帯して運動するような「地域」ではなかったのである。協働が実現したとしても、せいぜいが隣接する複数の郡の範囲にとどまっていた。これが、史書からわかる河西地域の多様性ないしは下位の小地域ごとの独自性と呼びうる事象である。本書で取りあげる?画墓・壁画墓はあくまでも喪葬文化の一齣にすぎないが、史書からうかがえるこのような一面とも重なりあいながら、それとはまた違った河西地域の多様性や下位の小地域ごとの独自性を私たちに教えてくれるのである。
【凡例 より】
 本書で取りあげる河西地域出土の?画(画像?)・壁画のほとんどは、関尾編『河西魏晋・〈五胡〉墓出土図像資料(?画・壁画)目録』(汲古書院、二〇一九年。以下『目録』および『河西魏晋・〈五胡〉墓出土図像資料(?画・壁画)目録補遺/河西魏晋〈五胡〉墓出土鎮墓瓶銘(鎮墓文)集成補遺』(Nakazato Labo、二〇二一年。以下、前半部分を『目録補遺』、後半部分を『集成補遺』)において出土墓や墓内位置などに関するデータを整理済みのものである。したがって詳細については、『目録』もしくは『目録補遺』を併照願いたい。

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