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〈大人のなかには子ども、つまりいまもなお成長中であり、けっして完成などしていない、たえず世話、注意、教育を必要としている、永遠の子どもが潜んでいます。(…)私たちが子どもたちに関して変化させたいと思うことはすべて、自分自身に関して変化させた方がよいものなのではないか〉
ユングの膨大な著作群の中心には、ひとつの重要な問題意識が存在している。それは人間のパーソナリティの発達、すなわち私たちが人生の重要な転期を経ていかに変容し、自分自身の人生をどのように生きていくのかという問いである。
ユングは「パーソナリティ」という言葉を、一般的な心理学における定義ではなく、一人の人間の特徴、個性、性格、人格、人柄、生き方、またそれらの特性の持ち主という意味合いで用いる。パーソナリティの発達とは、いわばユング心理学が目指す個性化そのものなのだ。
他の誰のものでもない、自分だけの人生を生きていくために。そしてそのプロセスをしっかりと経験し、パーソナリティを育むために、われわれが向き合わなければならない課題とは何か? 「パーソナリティについて」「人生の転期」他、子どもや家族、教育や心の成長をめぐるユングの主要論文9編を収録。
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