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国家とゲリラ戦を繰り広げた5人の男たちの傑作評伝
本書に登場する5人は、決して教科書に載ることのない人物である。なぜか。それは次のような特徴を持った男たちだったからである。
●本書に登場する5人は、性表現を媒介として自由を求めた点で共通している。
●そして、自由を求める彼らの行為は、自ずと反権威・反権力の立場にいやおうなく立たすこととなった。
●大筋において彼らは個人の力量・手腕のもと、自由を抑圧してくる国家の暴力に対峙した。
●国家という名の組織暴力に個人が対抗していく場合、ゲリラ戦的様相を帯びてくるのは当然の成行きである。正攻法で勝てるわけがないからだ。
●本書に登場する人物は「ハミダシ人間」である。「ハミダシ人間」が奇人化するのは、これまた当然の成行きである。
●国家の側からみれば、「奇人」は「危人」ということになる。せっかくつくりあげた秩序をゆさぶる危険人物だからである。
その5人とはすなわち、
宮武外骨――過激と猥褻の人
伊藤晴雨――非体制の責め絵師
小倉清三郎――性の求道者
高橋鐵――教祖型の性ジャーナリスト
梅原北明――好色型反骨派の猥本屋
である。
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