金属疲労き裂の「発生」と「進展」に関する学問体系を総括し総合的な理解を得られるよう執筆された書.
【目 次】
第I部 金属疲労の基礎
第I.1章 序論
第I.2章 結晶のすべり変形と格子欠陥の基礎
I.2.1 金属結晶のすべり変形
I.2.2 金属結晶の格子欠陥
I.2.3 結晶の塑性と転位
第I.3章 金属結晶の疲労
I.3.1 繰り返し硬化
I.3.2 疲労の転位組織
I.3.3 PSBの発達メカニズム
I.3.4 疲労き裂発生
I.3.5 bcc金属の疲労
第II部 疲労破壊の力学
第II.1章 序論
第II.2章 疲労き裂の力学
II.2.1 疲労き裂の破壊力学
II.2.2 き裂先端の塑性変形と小規模降伏条件
II.2.3 疲労き裂の開閉口
II.2.4 下限界近傍のき裂進展挙動
II.2.5 疲労き裂の非線形破壊力学
第II.3章 疲労き裂発生と初期進展
II.3.1 疲労の微視過程
II.3.2 疲労き裂発生のマイクロメカニクス
II.3.3 微小き裂の進展挙動
II.3.4 微視組織的微小き裂進展のマイクロメカニクス
II.3.5 平滑材の疲労限度および下限界応力拡大係数範囲に及ぼす結晶粒径の影響
II.3.6 短いき裂と長いき裂
第II.4章 切り欠き・欠陥材の疲労限度と寿命評価
II.4.1 切り欠き疲労の設計基準と工学的アプローチ
II.4.2 切り欠き底近傍での微小き裂の進展挙動
II.4.3 き裂進展抵抗曲線法による切り欠き疲労限度の予測
II.4.4 欠陥材の疲労限度3 領域線図
II.4.5 疲労寿命の算出
第III部 金属疲労研究の新展開
第III.1章 序論
第III.2章 水素環境下における疲労
III.2.1 き裂先端の電子顕微鏡観察手法
III.2.2 疲労き裂進展に及ぼす水素ガスの影響解析
III.2.3 今後の展望
第III.3章 ナノ・マイクロ疲労
III.3.1 単結晶金属における塑性変形の寸法効果
III.3.2 微小金属材料の疲労
III.3.3 今後の展望
第III.4章 金属薄膜の疲労
III.4.1 基板上薄膜の疲労
III.4.2 自立薄膜の疲労
III.4.3 今後の展望
第III.5章 疲労のモデリングとシミュレーション
III.5.1 固体材料のシミュレーションと疲労問題
III.5.2 分子動力学法(MD)
III.5.3 転位の静力学・動力学モデル
III.5.4 連続体理論(反応拡散理論,連続体転位動力学)
III.5.5 微分幾何学的アプローチ
III.5.6 マルチスケールモデル
III.5.7 今後の展望
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