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十八世紀の農業革命以前、西洋の食の中心は肉ではなく魚であり、中世盛期のキリスト教社会では、一年の半分を魚を食べて過ごした。その魚への巨大な需要が、はるか遠方への航海を、漁猟と保存の技術革新を、都市の興隆を、自由と独立の精神を、ヨーロッパ近代をもたらした──。魚でたどる目からウロコの世界史。
まえがき
第一章 魚と信仰
1 大きな魚と小さな魚
2 魚の女神
3 聖餐式の魚
4 ユダヤの魚
第二章 フィッシュ・デイの政治経済学
1 汝、食べることなかれ
2 性欲を生み出すもの
3 断食日の魚
4 断食の経済学
5 充満する粘液
6 ポリティカル・フィッシュ・デイ
第三章 ニシンとハンザ、オランダ
1 ニシン以上に殺す
2 ニシンとヴァイキング
3 ハンザ
4 ウィレム・ブーケルス
5 ニシンの戦い
6 ニシンの骨の上に建つ街
第四章 海は空気と同じように自由なのか?
1 レッド・ヘリング
2 海は誰のものか
3 『自由海論』
4 アサイズ・ヘリングとランド・ケニング
5 海洋主権
6 オランダの衰退
第五章 『テンペスト』の商品ネットワーク
1 なんと素晴らしい新世界
2 ヴァージニア海に浮かぶこの有名な島
3 ワインを塩ダラに変える魔法
第六章 ニューファンドランド漁業
1 ニューファンドランド発見
2 豊饒の海
3 三角貿易とサック・シップ
4 タラ漁と自由主義
5 英雄キャプテン・カーク
6 三角貿易の支配者
7 商人と革命
8 サラ・カーク
第七章 ニューイングランド漁業
1 ジョン・スミスとニューイングランド
2 一六〇〇年目の奇跡
3 農民と漁師
4 スクーナーの登場
5 戦いの海
6 聖なるタラ
第八章 魚はどんなふうに料理されたのか?
1 マグロ
2 ウナギ
3 ニシン
4 タラ
あとがき
平凡社ライブラリー版?あとがき
参考文献
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