栄養学の全体像を把握できる1冊。「日本人の食事摂取基準2020年版」に準拠し、最近の分子レベルでの知見や話題を追加。
応用生物化学、生物資源科学、農芸化学などの農学系、バイオサイエンス系もしくは将来食品企業などに就職する可能性のある学部生を対象に、最新の話題を交えながら栄養化学、栄養生理・生化学、病気と栄養・栄養素の関係を化学的な観点から講義、解説する教科書である。第3版となる本書では、ここ数年で明らかにされてきた腸内細菌と栄養機能を理解するための基礎的な内容を追加、「日本人の食事摂取基準2020年版」に準拠、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、フレイル等の概念と栄養学のかかわりを追加した。現在、従来の集団を対象とした栄養学からAIを利用した個別化栄養学へと、大きな転換期を迎えようとしている。未来の栄養学のプロローグとして最先端の栄養学の基礎と応用について学ぶ機会を提供したい。
第Ⅰ部では「栄養素の代謝と栄養」について、図表を多く用いて資料集的な構成でまとめた。各種栄養素の所要量については「日本人の食事摂取基準2020年版」に準拠し、最近の分子レベルでの知見や話題も加えた。第Ⅱ部では「栄養素による生体機能調節」について臓器・組織の構造と栄養素の代謝機能、栄養素による機能調節について解説した。第Ⅲ部では「栄養素による疾患予防」について、疾患の病因・病態と食習慣・栄養とのかかわり、栄養素・食品成分による病態の改善、予防の可能性について分子・細胞レベルでの知見も加えて解説した。
初学者向けに索引用語を充実させ、本文中では色文字で強調し、長く手元において辞書のように使える教科書とした。さらに勉強のポイントを提示する目的で、各章末に練習問題を入れた。各章の最後にはQRコードを掲載し、各章2つ目のコラム、引用文献(原著論文など)、参考図書、関連動画などのURL情報を入手できる。本文2色刷り。
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