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海中に浮遊する多くの稚魚や海洋動物の幼生たちは、ときに成体とは似ても似つかない奇抜な姿を見せる。あるものはたおやかにたなびくベールのようなひれや、長く突き出た突起などを備え、海の流れのなかに漂いながら自らの暮らしを拡げていく。あるものはガラス細工のような精緻な体をもち、外敵の目から逃れながら、最新のカメラで捉えられれば宝石のような輝きを見せて、いま多くのダイバーたちの興味をかきたてる存在になっている。本書は、海中に漂うさまざまな稚魚、カニ、エビ、イカ、タコ、クラゲなどの幼生・幼体が見せる興味深い姿を、多くは最新のマクロ撮影技術によって浮かびあがらせつつ、多くの科学者によってその生態を紹介する。海の生物ファンはもとより、写真ファン、ダイビングファン、ひいては自然の造形に広く興味をもつ読者必携の書になるだろう。
■目次
沿岸魚の仔稚魚たちの生態(森 俊彰)
沖合および深海魚の仔稚魚たちの生態(森 俊彰)
海を漂う小さな甲殻類(若林香織)
頭足類 多様で短い一生、その第一歩(若林敏江)
貝類の幼生について(長谷川和範)
クラゲの幼生たちの暮らし(戸篠 祥)
その他の無脊椎動物の浮遊する幼生たち(若林香織)
浮遊性巻貝類について(伊藤公一)
プランクトン生活を営むゴカイたち 浮遊性多毛類について(飴井佳南子)
尾索動物(若林香織)
ヘッケルが描いた甲殻類(水口博也)
浮遊生物を撮る(横田有香子)
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