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本書は、元日立の生産技術者が、「仕事の方法」の分析・改善のプロとして、見捨てておけなかった人文系学問領域での、定年後の一五年間をかけた研究の成果である。文明崩壊の危機を脱するための原動力となる新しい政治システムの構想の提案書である。人文系学者の「仕事の方法」を分析した結果、社会的に重要な活動領域が未発達であることを発見した。発達に必要な新しいパラダイムの提案書である。
これを歴史的にみれば、四〇〇年前にフランシス・ベーコンが『ノヴム・オルガヌム』で意図した「諸学の大革新」という大計画を、現代社会の状態に合わせて具体的に展開したものとも解釈できる。
(パレスティナのハマスは)将来への希望がないから、恐怖と絶望に駆られて過激な行動に走るのである。世界中の多くの市民がこの構想を理解し、実現の要求を政治家に突きつける大きな動きが必要である。このことが多くの国の人びとができる確かな和平への貢献であり、急を要する。(本書より)
このような世界の動きは、二年近くも経つというのに、今も戦火に苦しんでいるウクライナの多くの人びとに対する支援という点でも、同様なことがいえる。
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