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高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手――、
日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案する。
ビジネスの現場を救う”希望の書”!
「管理職の活性化」に悩む経営層にも、現場の管理職にも役立つ、知恵とヒントに溢れた1冊。
・・・・・
――「はじめに」より(一部再編集して抜粋)
今、管理職として働くということが、「罰ゲーム」と化してきている。
日本の管理職に対するこの「罰ゲーム」という比喩は、近年、ビジネスの現場や研究者の間でもしばしば聞かれていたものですが、いよいよ正面から取り上げる必要が出てきました。
この「罰ゲーム化」の影響は深刻です。
管理職ポストの後継者不足、イノベーション不足、部下育成不足、さらには管理職本人のストレス、そして本人の自殺という悲劇的な問題にまで連綿とつながっています。経営・組織の課題の域を超え、「社会課題」とも呼べるものになってきました。
さて、ではこのバグの原因は何でしょうか。
あまり気がつかれていませんが、この「罰ゲーム化」には、放置すると管理職の負荷が上がり続ける、まるでインフレ・スパイラルのような構造が存在します。
ここ10年ほどで現れたハラスメント防止法、働き方改革、テレワークの普及など、新しいトレンドの多くが、管理職の負荷を増やし続けています。
すべてのゲームには、「作り手」がいます。
会社という世界の中で言えば、働く環境やルールを決める側、経営や人事といった人たちです。しかし残念ながら、ゲーム環境の作り手の多くも、この「バグだらけの職場」を放置し続けています。
社長と人事の間、部長と課長の間、事業部門と管理部門の間には、まるで半透明のベールがかかっているように、課題への認識も切実さも噛み合うことなく、すれ違い続けているのです。これが実は、「罰ゲーム化」の根本的原因です。
このゲームは、本当のゲームのようにやり直しがききません。
人生もキャリアも一度きりであり、リセットボタンは存在しません。
雇用や組織の研究者の端くれであり、端くれらしく民間企業のビジネス現場に近いところで研究している身として、この状態を放置することはできません。だからこそ、この本は書かれました。
様々な方にとって本書が、この問題を真剣に考え、議論し、行動を起こす助けになれば、筆者としてこれ以上の幸せはありません。
【著者プロフィール】
小林祐児(こばやし・ゆうじ)
パーソル総合研究所上席主任研究員。労働・組織・雇用に関する多様な調査・研究を行っている。主な著書に『早期退職時代のサバイバル術』(幻冬舎新書)、『リスキリングは経営課題』(光文社新書)など。
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