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「彼は希望を育む術と地の果てまで絶望する術を同時に鍛えなければならなかった」
脱北者の青年ロ・ギワンの足跡を辿るなかで、失意と後悔から再生していく人びとの物語。
英語版・ロシア語版も刊行された話題作
映画原作のロングセラー、日本上陸
申東曄文学賞受賞作
「命がけで国境を越え、最愛の人を失い、生きるためだけに見知らぬ国へと流れ着いたここまでの道のり。
それが何の意味もなかったことを受けいれなければならない、氷のように冷たい時間。
彼は、懐かしさだけで故郷を思い出す甘い時間は、自分には今後いっさい訪れないだろうと悟った。」
単身ブリュッセルに流れ着いた20歳の脱北者ロ・ギワン。
希望を見いだせず、自分を否定する日々を送っていた放送作家の「わたし」は、雑誌で出会ったギワンの言葉がきっかけで、彼の足跡を辿る旅に出る。
オンライン配信映画、2024年公開!
「なにものにも置き換えることのできない感情は、一度も会ったことのない他者の人生を通じてよみがえることもある。
ブリュッセルに来て、ギワンの供述書と日記を読み、彼が滞在した場所や歩いた街を辿っている間、ギワンはすでにわたしの人生に入り込んでいた。
だからこそ、今度は彼にもわたしのことを、彼自身が介入しているわたしの人生を知ってもらおう。
ギワンがわたしの人生へと歩んできた距離と同じ分、わたしもまた彼に向かって歩んでいくべきなのだ。」
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