聖地旅順と帝国の半世紀

聖地旅順と帝国の半世紀

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出版社
白水社
著者名
渡辺浩平
価格
2,640円(本体2,400円+税)
発行年月
2024年2月
判型
四六判
ISBN
9784560093955

旅順は帝国日本の「聖地」であった。
1939年に旅順市役所が発行した旅順案内の小冊子の名はまさに、「聖地旅順」である。なぜ旅順は聖地なのか。
それは言うまでもなく、陸軍の旅順攻略が日露戦争の勝利へとつながっていくからだ。だが、旅順戦蹟の案内書が数多く出版され、「巡礼」の地となったのは、昭和になってからのことである。つまり、30年あまりの年月を経て、旅順の聖地化が進んだのである。
実は、聖地となる前、旅順はなかば忘れられていた時期がある。帝国日本の植民地経営の中心は大連、そして新京(長春)に移ったからである。この忘却と、聖地としての復活、そして戦後の冷戦下の旅順について本書では見ていく。
とりわけ旅順にとっては、1931年の満洲事変と、翌年の満洲国建国が画期となった。
安重根、乃木希典、水野廣徳、肅親王、川島芳子、石原莞爾――。旅順から近代日本はいかに見えたか? 旅順をめぐる、もうひとつの物語。ロングセラー『第七師団と戦争の時代』の著者渾身の書き下ろし。貴重な図版多数。

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