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家に伝わった5通の古文書。それは戦国末期に小早川隆景・毛利輝元・吉川広家の三人の武将から与えられた判物だった。
出雲国人熊野氏は尼子十旗の一・熊野城主から尼子滅亡により毛利家臣団となり、主家毛利の厳封に伴い安芸の小領主として福島家に仕えるが、幕府の外様大名取り潰し政策で浪人となる。
時代の流れに翻弄されながらも代々大切に伝えられたその家宝は、大正の頃には一族と共にはるばる台湾まで渡り、引き揚げの混乱時にも失われることなく再び日本へ持ち帰られた。
今は大阪の博物館に収蔵されるその古文書を足掛かりに、約20年をかけて古文書と公的記録で調べあげ、戦国時代までを遡る。一族の流転をたどって訪れた台湾・澎湖島の海軍基地跡や向津具村の引揚寮など、貴重な歴史資料となる写真も掲載。家族の物語を越えた中間層500年の貴重な記録!
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