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天界の創世神に由来する西シベリアの熊。それを仕留めた者は自分の子供として家に招き入れ、地域を挙げて6日から8日間の熊まつりを行い、その魂に家や地域の守護霊になってもらう。熊を仕留めるところから始まる儀式の次第と演目の内容、歌われる神話を本邦初紹介。
アイヌのイオマンテや能と比較しながら、藝能とは何かを問う。
トルストイが感じ入った熊まつりの全貌が姿を現す。
【目次】
序章 森と水の民の目眩く歌や踊りと笑い
一 タイガ、ツンドラの森と水の民の大地と生活
二 なぜ熊を殺してまつりを執り行うのか
三 歌、踊り、笑い(寸劇)の目眩くイメージ
第二章 西シベリアの熊まつりの歌や踊りと笑いの演目
第一節 ハンティ人の熊まつり
一 熊の歌、森の精霊たちの歌
二 仮面の滑稽寸劇(来訪者)
付 一九九八年カズィム川シュンユガンでの熊まつり演目次第
第二節 マンシの熊まつり――スィグヴィンス・マンシの記録
第三章 日本の伝承から見る西シベリアの藝能
第一節 アイヌの仮装舞踊劇論と西シベリアの熊まつり
一 ハンティ人(族)の熊まつりとの出会い
二 アイヌの熊まつりとハンティ人の場合とを比べて――行事次第、目的と神観念
三 アイヌの「呪術的仮装舞踊劇」仮説の実在の可能性
四 遺存するアイヌの仮面や日本本土の神楽の古能などとの類縁性
第二節 日本の夢幻能と西シベリアの熊まつり
はじめに
一 西シベリアの熊まつりの次第概要
二 熊と人間の身近さ
三 此岸彼岸両界にまたがる熊まつりの演目と夢幻能
第四章 ハンティ・マンシの森の魔物と自然環境問題
一 熊まつり演目における魔物の登場
二 ハンティ人、マンシ人の魔物メンク(ヴ)
三 環境問題に顔を覗かせる魔物の諭
終章 熊の霊魂を癒やす藝能とは
一 歌と踊り、寸劇に終始する西シベリアの熊まつり
二 寿福増長の基、延命の法
三 事実と見まごうばかりの絵空事(藝)
あとがき
註
索引
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