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戊辰戦争とは、徳川幕府が崩壊して、朝廷に政
権が移ったあと、徳川家を擁立して抵抗した会津
藩、庄内藩などが、薩摩、長州、肥前などの新政
府軍(官軍)と戦った内戦のこと。鳥羽伏見の戦い
に始まり、函館五稜郭の陥落で官軍が勝利して、
1年5カ月で終わった。
「深堀六番隊」は正式名称ではなく、佐賀軍の
六番隊として、佐賀藩深堀領から出陣した約80名
のこと。深堀領主鍋島孫六郎は、佐賀軍の総帥と
して戦果をあげた。佐賀軍の約800名は、京都へ
の上洛から、江戸警護を経て仙台から東北に上陸、
秋田へ転戦して庄内軍と激戦して犠牲者も出た。
著者は150年前の激戦地を訪ね、戦死者の墓に
線香を手向けた。本書は、新資料を解読して、深
堀武士たちの足跡をたどった渾身のルポルタージュ
である。
〈著者平幸治氏のことば〉
長崎で戊辰戦争を語るとき「振遠隊」を
知る人は多いが、六番隊はほとんど知らない。
佐賀藩軍隊としての出陣であったためか。
ところが、佐賀でも武雄隊の活動は語られるが、
鍋島孫六郎や六番隊はやはり話題にならない。
激戦地三崎峠などを訪ね、戦死者の墓前に線香
を手向けることができた。明治維新の礎をなし
た我がふるさと深堀の先人の軌跡を少しでも多
くの人に知られるようになれば、嬉しい限りで
ある。
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