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シェリングを現代哲学の最前線に呼び込み、
カント主義批判により思弁的実在論の始原ともなった重要作
シェリング思想に一貫して流れるのは自然哲学である。それは、カントのように自然を表象や言語の内に閉じ込めず、生命を超え自然そのものへ向かう驚くべき思想である。プラトン、アリストテレスらの古代ギリシア哲学、カント、フィヒテらのドイツ観念論、バディウ、ドゥルーズらの20世紀思想、そのほか多くの自然哲学者らとシェリングを、時に大胆に時に繊細に対決させ、革新的な読解へと導く。「何ものも消去しない観念論だけが質料ないし物質の哲学でありうる。」
「本書は二つの課題を果たすことを意図していた。第一の課題は、シェリングの哲学上および概念上の驚嘆すべき独創性をヨーロッパ哲学の一つの文脈〔〈カント以後〉の哲学という文脈〕のなかへ導入する、ということである。……第二の課題は、ヨーロッパ哲学の問題に直面してシェリングがみずからの自然学にもとづいて考案した解決策を推奨すること、さらにシェリングの解決策を用いて〔じっさいに〕ある種の〈自然の形而上学〉を構築する、ということである。」(本書より)
◎目次
第一章 なぜシェリングなのか、なぜ自然哲学なのか
第二章 生成の力能――発生的哲学におけるプラトン自然学の再興
第三章 反自然学と新フィヒテ主義
第四章 無制約的なものの自然史
第五章 「 私の内部で思考しているものは私の外部にあるものである」――現象であること・自然学・イデア
第六章 力動的哲学、超越論的自然学
第七章 結論――超越論的地質学
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