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著者・蜷川新(にながわ・あらた)氏は、明治維新直後から日清日露戦争と二つの世界大戦を経て、日本の敗戦、連合国による占領とそこからの再独立という、まさに激動の時代に生きた人物である。
連合国占領下の日本が、サンフランシスコ講和条約(と日米安全保障条約)を結んで曲がりなりにも「再独立」を遂げた頃、一九五三年一二月に世に問うた本書は、当時も今も、民衆に背を向けた御用学者が説く憲法講釈よりも、よほど読む価値があるし、説得力があるのだ。
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