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"「交通事故に遭うと、まずはむち打ち損傷を心配するのが、もはや社会一般の常識といっても過言でないほど、誰でも知っている疾患です。賠償事案としての件数も多く、むち打ち損傷を抜きにして交通賠償実務は語れません。
初版から14年が経過し、この間、医学の世界では、各国で外傷性頚部症候群の治療ガイドラインが示され、わが国においても、エビデンス集の発行は確認できないものの自動車事故による外傷性頚部症候群患者52,251例の大規模調査が実施されています。そこでは、組織損傷に伴う疼痛だけでなく非器質的疼痛が関与すること、社会的・心理的要因が影響すること等が示唆され、それを踏まえた治療が推奨されています。
工学の世界では、自動走行から車そのものの概念が変わりつつあります。法律の世界でも、「目に見えにくい後遺障害」については、平成19(2007)年の自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討委員会の報告書も平成23年、30年と見直され、裁判例も集積され、より議論が進んだ気がします。むち打ち損傷事案はどうなのか、この間の多数の裁判例を検討のうえ整理しました。まだまだむち打ち損傷の本質は見えてきません。十数年の研究の中間報告の第3版です。」[編者はしがきより抜粋]
本書では、第1編で自動車事故による外傷性頚部症候群患者の大規模調査など最新の医学的知見を踏まえた病態、診断、検査、治療から周辺疾患を解説し、第2編では法的問題として、治療関係費から消極損害、慰謝料、素因減額など損害算定上の問題、後遺障害などを整理し、第3編で工学的知見の再検討など、むち打ち損傷についてあらゆる方面から多角的にアプローチしています。
交通事故に携わる実務家にとって、むち打ち損傷の損害算定の理解に大いに役立つ一冊です。"
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