だめをだいじょぶにしていく日々だよ

だめをだいじょぶにしていく日々だよ

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出版社
twililight
著者名
きくちゆみこ
価格
2,090円(本体1,900円+税)
発行年月
2023年12月
判型
四六判
ISBN
9784991285158

みんなくるしいね、というときの「みんな」が誰なのかはわからなくとも、そこに自分の姿を見出したことがない人はいないんじゃないか。そんなとき、わたしたちはテーブルの下で見えない手をつないでいる。



この本は、まるでそれがほとんど神さまか何かみたいに、愛し、頼り、信じ、救われ、ときに傷つき打ちのめされながら、言葉と一緒に生きてきたわたしの、なにかとさわがしい心の記録だ。またそれは「言葉とわたし」がどんなふうに変化してきたのか、もしくは変化していくのかの考察でもあった。「だめ、できない」という言葉のうしろで縮こまっていたかちこちの体を、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」となんとかなだめて引っ張りあげていくような。

(まえがきより)



2010年よりパーソナルな語りとフィクションによる救いをテーマにしたジンを定期的に発行しつつ、言葉を使った作品制作や展示も行ってきた翻訳・文筆家のきくちゆみこ。twililight web magazineでの連載をまとめた初めてのエッセイ集。

書籍化にあたり、全12回に「アフター・トーク」を書き下ろしました。

装画は前田ひさえ、デザインは横山雄。

ままならない過去や体や心をほぐしてくれたのは、いつも書くことだった。



【推薦文】

うつくしい星座のような本でした。一つ一つの記憶はそのときにピカッと光っただけだけれど、いまのきくちさんの目をとおして、その過去が生き直され、私たちの目にまで送り届けられる。それはかわいい竪琴のような形だったり、神話のかみさまだったりして、記憶の連関の仕方自体が物語を持っている。

誰かが深く自分を語ることによってのみ、誰かの痛みや解消しきれない傷にたどり着くことができる。そういう試みを私は愛しているし、きくちさんは勇気をもって、それをやりつづけている人です。LOVE

――中村佑子



読み終えた後、感想を書いたり話すんじゃなくて、本を抱えてベッドで目を閉じたくなった。ひとりの人の<自分のぜんぶ>を一冊の本の形で読めてよかった幸福と、読みながら思い返す自分の<だめ>だったあの頃と。

だめだだめだと書いているけれど、ゆみこさんが歩いてきた軌跡はとても美しく、そして胸が苦しくなるくらいの憧れさえ覚えるのはなぜだろう。後ろ向きに前に進むみたいにして語られるすべてに、ゆみこさんの眼差しが反射しているからかもしれない。どんなに小さくてそのまま消えゆくようなものでも、ちゃんと煌めいていたよと。

――安達茉莉子

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