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労働組合の組織率は低下傾向が続いていますが、労働組合による組合員の解雇・雇止め、降格・降職、残業代、ハラスメント、メンタルヘルス等にかかわる問題提起は、件数としては少なくありません。また、大幅に件数が減ったとされる集団争議についても、最近では組合員の雇用確保を巡るストライキ等が実行され、関心を集めています。
そして、このような労働問題が生じるなかでは、労働組合に対する使用者の言動が不当労働行為に当たるか否かという点が、争点となります。労働組合の提起により、裁判所や労働委員会の場で使用者の言動が不当労働行為にあたると判断されれば、労組法違反の事案として、労使間の紛争はさらに困難な局面に至ってしまいます。
本書は、過去の裁判例・労働委員会命令のすべてを検証したうえで、労使紛争の中での使用者の言動を具体的に分類し、裁判所や労働委員会で不当労働行為と判断された事例、そうでなかった事例の双方を紹介することにより、不当労働行為性の判断基準を明らかにするものです。
本書で紹介した先例を参考に、使用者の言動が不当労働行為に当たるか否かの判断を、より正確に、効率的に行うことで、労働問題における不必要な労使紛争やトラブルを避けることができます。
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