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成熟経済下の不況から逃れられない日本経済は危機に直面している。それは有効な手を打てないでいる経済学の危機でもある。貧困と格差と孤立はどこまで進行するのか。有効な経済政策はあるのか。経済活動の目標を「GDP」から「健康寿命」へ変えることにより、人々は安心して長生きできる暮らしが手に入ると著者は訴える。そのために医療制度を中心に国の経済を築かなければならないという。市場ベースから医療ベースの資本主義への大転換。それをけん引するのはシン・経済学である。環境をも意味する「社会的共通資本」の整備を提唱した経済学者宇沢弘文氏の「最後の弟子」を自認する著者。シン・経済学が異端に終わらなければ日本経済は持続的発展の道を歩み始めるだろう。
◆特別企画〈宇沢弘文氏没後10年・森嶋通夫氏没後20年〉
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