「王様の病気」にして「病気の王様」
医学史と文学研究の第一人者が手を組み、この誉れ高くかつ滑稽な病の文化的・医学的・芸術的歴史を、古代ギリシアから近現代まで包括的に記した名著!
本書は、(…)痛風という日常の疾病・慢性病が上流階級の人々が羨むファッショナブル病になったこと、それどころか痛風に罹るのが望ましいとまで思われた誉れ高い病であったこと、と同時に嘲笑と自己憐憫と遊戯を誘うばかばかしくも滑稽な病でもあったことを、古代ギリシアから二〇世紀初頭までを射程に入れて、医学、文学、視覚芸術といった複眼的な観点から叙述したものである。痛風の歴史と文化を通史的かつ包括的に扱った文献として今のところ最も権威のあるものとされる。
本書の強みは、ロイ・ポーターとG・S・ルソーという、それぞれ医学史と文学研究の泰斗と目される二人によって書かれたことにある。(…)ポーターが医学史のドンであれば、ルソーは一八世紀文学及び「文学と医学」の脱領域的研究のパイオニアにしてドンと言えるだろう。(「監訳者解説」より)
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