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◆第一句集
山の日を大きくのせて朴の花
さらりとした句柄、まるで話しかけるようなこれらの句には、対象へのひと通りでない慈しみと敬意が感じられる。こうして詠まれた木や花たちはきっと喜んでいるに違いないし、読者もまたしみじみと心癒されるのだ。
序より・髙橋道子
◆自選十二句
開運の橋より拝す初岩手
やさしさに妬けてくるやうあきあかね
あやまる気更々なくてソーダ水
奥のもの大きく見ゆる秋刀魚買ふ
しやぼん玉吹くさもやさしさうな風
悔い先に立たずひよつくりふきのたう
大夏野分岐に牛の塩くれ場
コスモスに立てばたやすく淑女かな
「旅人の木」に会ふ旅の温室に
日のおよぶ花にあらねど延齢草
静けさの極み木五倍子の花ざかり
諸葛菜折り合ふことば探さねば
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