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近年、民主主義を問い直す動きが急速に進んでいる。20世紀後半に進んだ民主化は、民主主義が標準的な政治体制となり、世界の隅々に行きわたることを期待させた。
しかし、21世紀を迎えてから、民主化したと見えた国が実は権威主義的な要素を多分に持っていることが明らかになったり、徐々に民主主義が侵食される事例が注目されるなど、民主主義の行方に暗雲が立ち込めている。
こうした状況のなかで、そもそも20世紀後半にもたらされた民主主義とは何だったのか、そして、その起点となる一連の民主化はどのようなものだったのかは関心の的となる。
20世紀後半の民主化の流れを「第三の波」と類型化し、体系的な分析をおこなったサミュエル・ハンティントンの本書は、出版から30年を経てもなお頻繁に引用される政治学の古典であり、民主主義をめぐる議論の出発点として、世界中で繰り返し人々が立ち返る参照点となっている。
しかし、残念なことに日本語での本書へのアクセスは長く制限されてきた。『文明の衝突』と並ぶ、ハンティントンの記念碑的著作を新訳で刊行!
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