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本書は,ウィリアム・フルトンとジョー・ハリスによる表現論をテーマとした世界的名著の翻訳書である.扱われている主な内容は,有限次元複素ベクトル空間上における有限群および複素半単純リー代数の表現論である.原書は大部であることから,翻訳書は上下巻に分けた.
本書の大きな特徴の一つが,まずは数多くの具体例に取り組み,その経験を通じて題材に関する感触や動機付けをある程度得た後で,一般的な事実へと導いていくという立場をとっていることである.加えて,特にリー代数が登場して以降の具体例において,理解を視覚的に助けるために情報の図示を大量に駆使している点も特徴である.
必ずしも表現論を専門としない,さらにはより広く数学を専門とするとは限らない多くの方々にとって,本書が表現論に踏み入る気軽な最初の一歩となることを期待したい.
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