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江戸時代265年を網羅した初の異国人見聞録本。
数多くのキリスト教会があり、世界有数の美味なパンが売られている……整理された歴史書には描かれない、生々しい歴史の姿が立ち現れる!
◎異国人20名を取り上げ、その人生・時代背景・社会的立場・見聞録の性質を示し、証言を紐解く
◎貴重な図版多数
江戸時代は二六五年も続いた。(…)この二六五年は、全く以って一枚岩ではなく、生成と変化を繰り返して突き進んだ期間だった。だから、ある地域のある時期のある事象を捉えて、江戸時代にそれが一般的に存在したとする言説には、相当に無理がある。(…)日本見聞録によって江戸時代を紹介する書は、数多く存在する。しかし、その多くは、テーマによって章節を設け、その中に複数の人物の見聞録から切り取った言葉を入れ込んだものである。(…)もちろん、それぞれの人物の背景も、紹介はされていることだろう。しかし、見聞録の言葉は、それの書かれた時代と、書き手の環境という文脈を無視して語ることは決してできない。(…)本書は二六五年にわたる江戸時代を、異国人の見聞録によって眺めていく試みである。その点は、多くの類書と変わりはない。しかし、テーマ毎ではなく、その見聞録の書き手ごとに分節した。これは、彼らの人生や、時代背景、社会的立場、見聞録の性質などを意識しながら、紹介したいと考えたからである。
――本書「序」より
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