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本書は、わが国で普及しはじめているアメリカ型の先端的D&O保険を、実効性と限界の視点で分析し、日本企業やその役員にとってどのような価値があるのかを探究する。
その結果として、先端的D&O保険の実効性は大いに認められるものの、各種利益相反の問題など限界があることも理解でき、わが国において必要に応じて修正した形で採用されることが望ましいことがわかる。そこから、わが国で実務が先行している先端的D&O保険の諸課題を先取りし、その対応や解決策を提示する。
はじめに、会社法で規律されたD&O保険と会社補償について、相互の関連性、その役割と機能、情報開示の方法などについて考察し実効性ある運用方法について検討する。
続いて、D&O保険を理解する前提として、わが国への導入の先例としてのアメリカ型の先端的D&O保険について、アメリカでの発展経緯と法制度、訴訟事案、保険約款などについて検証しD&O保険の本質を探るとともに、わが国で先端的D&O保険を採用するにあたっての課題や限界について一定の指針を示す。また、企業の国際化に対応してグローバルD&O保険プログラムの構造と機能を分析し、保険の実効ある活用法を中心に詳細に考察する。
さらに、D&O保険の保険約款に関して、事故のおそれの判断基準、倒産等の危機的場面での機能等を検証、併せて「請求事故方式」、免責や告知の分離条項などの解釈や議論についても触れる。また、会社法で保険料の会社負担の適法性が認められことに伴い、支払限度額を増額するケースが考えられ、その場合の方法に関して「エクセス保険」などの新たな契約方式について問題点や解決策なども含めて解説する。ガバナンスの視点で社外役員特化型D&O保険の必要性についても指摘する。
最後に、先端的D&O保険の実務と理論が保険契約法に示唆している事柄について模索する。これまでの伝統的保険法学による研究手法に加えて国際取引法のアプローチも必要であることを提唱。また、先端的D&O保険のような特殊な保険約款の解釈のあり方について、当事者の意思を重視した約款解釈が望ましいとの指摘や、保険契約においても、他の金融分野と同様に信義則や信認義務が大きな役割を演じることの可能性について問題提起をする。
なお本書は、2019年発行の『先端的D&O保険』(日本保険学会賞受賞)に大幅増補と改訂を加えた内容となっており、新訂「後継本」としての性格をもつ。
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