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大津屋庄兵衛は手広く商売をしている関東織物の問屋である。年始の客も落ち着き、明日は七草。通りにやってきたなずな売りから七種を買い粥を店の者に振る舞ったが、その夜、粥を食べた者たちが苦しみだした。主人の庄兵衛と番頭夫婦が命を落とし、医者は野草の中に猛毒の「とりかぶと」の葉が混っていたのではないかというーー。(「七種粥」)
市井の人々の暮らしの中に潜む、底知れぬ心の闇を描く時代推理短編集。
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