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──クモザルの社会的なコミュニケーションの中では、積極的なかかわりとしてのあいさつは重要に感じられる。それでもサルたちは「さよなら」を言って別れていかない。
──ホエザルの群れのありようは、ホエザルそれ自身の個体間や群れ間の関係によって、多様な共生のあり方を垣間見せてくれる。
五十数年にわたって、サルを観察しつつ人間を考え、人間の文化的存在に思いを致しつつサルの世界に戻って生物としての歴史的過程を辿る、という射程の長い思考を原点として生物的自然を考え、さらに人間との関係を思い描いてきた著者が、人間の活動が地球史の中で多大で決定的な影響を持つ「人新世」に、改めて「共生」社会のあり方を問う。
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