スコットランド啓蒙の社会理論

知泉学術叢書

スコットランド啓蒙の社会理論

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出版社
知泉書館
著者名
クリストファー・J.ベリー , 坂本達哉 , 壽里竜
価格
6,820円(本体6,200円+税)
発行年月
2023年11月
判型
B40
ISBN
9784862853943

「スコットランド啓蒙」とは,ヒューム『人間本性論』からスミス『道徳感情論』の刊行に至る1740-90年までの半世紀,中でも1750年から75年までを「中核」とする40名に及ぶ幅広い思想家の作品群によって構成された概念で,社会思想の観点から啓蒙の時代と精神を解明する。
「社会理論」とは,歴史の理論化作業,政治的・経済的著作,道徳哲学,スコットランド人の「文化的」争点等についての一般的で包括的な関心を意味する。これら多様な哲学,政治,経済,歴史,宗教,文化等の諸領域の相互依存的な関係を横断的・有機的に考察することがスコットランド啓蒙の最大の特徴である。その中心にある「四段階理論」では,文明化した狩猟・採取→牧畜→農業→商工業の四段階の発展理論を展開している。
本書はスコットランド啓蒙の定義に始まり(1章),17世紀的な個人主義と理性主義を批判して,人間の諸制度と行為の正しい理解を示し(2章),さらに科学革命を発展的に継承したヒュームの因果論と推測的歴史論を探究した(3章)。次に普遍的な人間本性から多様な国民性を説明し(4章),文明社会の歴史と社会制度が複雑に進化するのを考察(5章),商業社会によるそれ以前の社会状態の改善を,欠点も含めて検討し(6章),そして宗教と趣味,文化が,これまでの議論にとり不可欠なことを解明する(7章)。最後に研究史の多様な解釈を概観する(8章)。世界的研究者による類のない画期的な概説書である。

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